地に足を付けて

ドッシリとした歩き方、つまりはシッカリと力強く歩くという行為を最近してない事に気付いた。
そう思ったのは会社に来る途中のとある大型駅の動く歩道にて。
ふと足を踏み入れると、思わず足を取られそうになったと自認した。
ああ、最近は日々溜まる微妙な疲労なんだろうと思っていた。
勿論否定しないし、職場が変わって変わり続ける毎週のシフト出勤に慣れてないのも事実。
別に嫌じゃないし、前の職場に比べればかなり精神的に楽だ。
さて話を戻そう。
動く歩道に踏み入れた足の重心は踵だったんだと思い出した。


で。


何気なく帰りにも当然ある歩道に今度は爪先から踏み入れてみた。
するとどうだろう、今度はスムーズに歩を進める事が出来た。
では何故なのだろうか。これは実際に動く歩道と足を図にすれば自ずと分かる。


踵から踏み込んだ足は動く歩道によって重心が後退する。
では逆の爪先はどうだろう。
踏み込めば当然重心は後退し、結局踵によって支えられる。よってバランスは余程の事が無い限り崩れる事は無い。


それを踏まえた上で二つ程思い描いて欲しい。


一つ、いまいちスピードに乗れないように踵を使ってグダグダと歩いている姿を。
二つ、踏み込むように爪先に力を入れて前を歩いている姿を。


ああ、俺は前者だったんだなと思った。以前であればもっとしゃんとした歩き方であった筈だが。


うん、人間は何気ないしぐさや挙動で体調が分かるものだと実感した一日だった。