結局二時間かかった

ちょっと某動画を見ていたら、気がついたらこんな時間だよ。
それでも一時間くらいかかったのはやっぱり厳しいものがあるな。
と言う訳で、遅ればせながら何とか更新したので昨日の分を公開しますよ。
長かった一日の話はこれでピリオド。
分かるかも知れませんが、これまでの連続更新六回分の話は拍手コメントをヒントにしました。
具体的には日本一周とカレーとモンハンネタ。
それが、日本一周が岩戸台一周になり、カレーは全員で食べる事に、モンハンはゲーセンでの勝負に変わりましたとさ。
原案が公開されたものと全く違う事なんてよくある事ですよ。
ではではどうぞ。


【逝ってみよう、やってみよう】

慎哉:さすがに疲れたな、ちょっと休憩しよう。
優也:賛成だ。各自適当に休憩してていいよ。
慎哉:ただし集合の事を考えるとポロニアンモールからは出ない事。
優也:一時間くらいか? 適当にね。
全員:分かった(ました)(クマ)。
慎哉:しかしどこへ行くか。
優也:俺はちょっと用事が。
慎哉:ん? どこへ行くんだ?
優也:まぁ、カラオケの下の空間だな。
慎哉:あそこには何も無いはずだが。
優也:ペルソナチェンジ能力を持っているのならイゴールを知っているか?
慎哉:ああ、あの爺さん達か。
優也:知っているのなら話は早い、タルタロス以外だとこの辰巳ポートアイランドではあそこに部屋があるんだ。
慎哉:俺の所は商店街に何事もないようにあるな。俺以外誰も気づいてないようだが。
優也:ちなみにアイギスは一時的に、藤咲はたまに行けるようになっていたようだ。
慎哉:ようだ?
優也:その時は訳があってリーダーじゃなかったんだ。だから仲間から聞いた程度。
慎哉:まぁいい、とにかく行ってみよう。
優也:やってみよう。
慎哉:やーったやったやった出来た。
優也:ヤーッた犯った殺った出来た。
慎哉:欽○ン?
優也:N○Kの方だよ!分かりづらいよ!


【多分混ざった】

優也:……確か俺の場合はエレベーターの中だが。
慎哉:俺の場合はリムジンの中だな。
イゴール:お久しぶりです。
マーガレット:お久しぶりです。
エリザベス:お久しぶりです暇潰し。
優也&慎哉:増えた!?
イゴール:お二方がいらっしゃった事でここも多少変わり果てたのでしょう。
マーガレット:その結果、貴方達の存在によりここは言うなれば立体駐車場となったわね。
エリザベス:車ごとエレベーターに乗せているのですから当たり前ですね、お姉様。
マーガレット:ええ、エリザベス。
慎哉:というと、この人が妹のエリザベスさんか。
優也:簡潔に説明してくれ。
マーガレット:私たちは姉妹、そういう事よ。
優也:把握。
エリザベス:そしてどちらも面白…興味深い逸材に出会えたわね。
慎哉:今、聞いちゃならない事を聞いたような。
優也:よくある事だ。


【姉妹揃ってドSがここの基本】

マーガレット:あら、怖じ気づいたのかしら?
慎哉:そんな訳では。
エリザベス:まったく、これだからチェリーボーイは駄目ねお姉様。
マーガレット:ええ、本当に。あ、あなたがどうしてもと言うのなら筆卸をしても構わないわよ。
エリザベス:何故ツンデレ風なのですか? しかもツンデレになりきれてないです。
マーガレット:最近の世の中のニーズにはこういうものがあるようなのよ。
慎哉:いや、俺はツンデレに興味無いからな。
優也:バカ野郎! 普段は勝ち気な女の子がふとしたきっかけでコロッと落ちそうになる所も良いだろ!
慎哉:それはお前個人の嗜好だ。
優也:イエス
エリザベス:ユアハイネス。
慎哉:それは天城の言う台詞だ。
イゴール:それにしてもこのお方達、ノリノリである


【ヘタレじゃない、アニメじゃない】

マーガレット:それは良いとしても未だに自分の恋人を名字で呼ぶのね。
慎哉:何故知っている?
マーガレット:いつも貴方達の視点で物事を“視”させてもらっているからよ。
優也:最早そういう事が出来る事について言及しない。
慎哉:だが、普段は名字で呼ぶ事が悪いのか?
優也:一概に言い切れないが俺個人としては悪いな。
エリザベス:ヘタレですわね。
マーガレット:駄目駄目ね。そんな事じゃいずれ心を掴み損ねてしまうわ。
イゴール:よく分かりませんが多数決によれば駄目なのでしょう。
慎哉:イゴールに言われてはおしまいだが、じゃあ俺にどうしろと?
エリザベス:貴方は何か勘違いしています。
慎哉:は?
エリザベス:どうするか、貴方のその悩みは誰かに導いてもらわねばならないものなのですか?
慎哉:……。
マーガレット:そちら側の世界について多少“視”させてもらったけど、貴方は恥ずかしいのね。
優也:の割りには二人っきりになるとイチャイチャしているようだが。
マーガレット:では貴方はその関係について他の人達――或いは別の誰かに後ろめたさを持っているのね。
慎哉:そんなこと…無い。
エリザベス:断言出来ない時点で説得力も何もありません。
マーガレット:仲間内から冷やかされる事を恐れていると言っているけど、それは本当なのかしら?
エリザベス:本当は何かもっと別の事を考えているのでは?
慎哉:……この姉妹怖いな。
優也:姉が姉なら妹も妹だ。俺の場合は逆なんだがな。


【では何を恐れて?】

慎哉:なんだろうな。何となく頭の中でそれが何であるかを理解してはいるんだが、認めたくないみたいだ。
優也:俺にはそれが何であるのかは分からん。答えを知らないからな。
エリザベス:推測ですが、鳴海様は既に秋月様の悩みを解決した側の人間です。
慎哉:何?
優也:俺が?
エリザベス:もう一度お聞きします。秋月様は何を恐れていますか? 冷やかされる事? 仲間のチームワークが乱れる事?
マーガレット:そのような些細な事でチームワークが乱れるのであればそれまでの関係だったようね。
慎哉&優也:耳が痛いな。
マーガレット:考えなさい、貴方はそういう推理考察が得意なはず。でもその答えが出ないのは無意識のうちに出したくないから。
慎哉:……。
マーガレット:では何を出したくないの? 答えは貴方自身が知っているはずよ。
慎哉:……俺は。
イゴール:かつて、ジッポライターを手にした少年がペルソナ能力を発現した時、このような言葉がありました。

 我が手を取れ…恐れるな…

イゴール:貴方様が好む知識とは、それ単体ではただの情報にすぎません。
優也:……。
イゴール:ですが、その知識を受け入れるかどうか。それは貴方様次第なのです。
エリザベス:知る事を恐れてはいけません。例えそれがどのようなもので有れど。
慎哉:全てを見透かして尚それを言うのなら、アンタらがどれだけ性悪か痛いほど理解した、これがな。
優也:こっちの方は酷かったぞ。異なる俺を勝手に呼び出したりアイギスを巨大ロボにしたりとやりたい放題だった。
慎哉:別の意味で性悪だな。


【答えなさい、貴方の恐れを】

マーガレット:そして知りなさい。貴方がこれから成すべき事を。
慎哉:……俺はな。特捜隊の面子には殆ど話してないが、高校三年になったら実家へ戻らなくてはならない。
優也:なに?
慎哉:八十稲羽にいる期間は一年間って初めから決まっていたんだ。
優也:……そういう事か。
慎哉:理解したか? 俺には大事な人がいるが、予め離れ離れになる事が確定されているんだよ。
優也:……。
慎哉:怖いんだよ。離れていても絆は失われないなんてそんな在り来たりの言葉に騙されるか、それとも本当かを確信出来ない事がな。
優也:何だ、そんな事か。
慎哉:そんな事だと!? お前に何が分かる!?
優也:今生の別れじゃないだけマシだと思え。そしてさっきエリザベスは何と言った?
エリザベス:鳴海様は既に秋月様の悩みを解決した側の人間です。
慎哉:……どういう事だ?
優也:色々とあったんだよ。俺達がペルソナ使いとなっている事と関与してな。
エリザベス:かつて世界を揺るがす戦いがありました。今でも戯れとしてタルタロスや影時間は機能していますが、世界の崩壊か否かの瀬戸際の戦いでした。
優也:単刀直入に言おう、俺はその時死んだ。
慎哉:ハッ?
優也:人一人を犠牲にしなくちゃならない封印に俺は進んでなった。未来永劫封印が解けないようにする魂の楔としてな。
慎哉:じゃあ、何で今いる?
優也:アイギス達と、そこのエリザベスの尽力による結果だ。
エリザベス:そういう事でございます。


【死を受け入れた先に】

優也:封印の為には俺の命が引き替えとなった。だから俺は喜んで擲ったさ。
慎哉:何故だ?
優也:惚れた女の為だ。それ以外何がある?
エリザベス:……。
優也:世界を守る為だとかそんな事はどうでもいい。ただ、自分が惚れた女の未来が無くなる事は絶対にあってはならなかったからな。
慎哉:だとしても自分が死んだらな…。
優也:その女の横に自分がいなくなっても、それはそれで仕方ないと思った。俺個人の感情は既に全世界と一人の女を天秤にかけた時で最大値に振り切ったんだ。
イゴール:最大級の我侭を言った以上、それを貫ける代償として命を差し出したのですな。
優也:本末転倒かと思うがな、後悔なんて今でもしてない。
慎哉:……。
優也:どうした?
慎哉:同性ながら格好良いと思った俺が悔しい。
優也:それがお前と俺の違いだ。


【現在はどうして】

慎哉:だがどうやって……。
優也:それは俺たちだけが触れていい領域なんだ。詳細を他言しないと仲間と相談しあった。
慎哉:……そうか。
マーガレット:彼は別れがあると知りながらその結果を受け入れた。貴方にその結果を受け入れる覚悟はあるのかしら?
優也:覚悟とは犠牲ではない、暗闇の荒野に進むべき道を切り開く事だ。
マーガレット:覚悟があるのなら貴方の成すべき事は分かっているでしょう?
慎哉:……。
マーガレット:覚悟がないのなら別れなさい。でなければ貴方達の関係を知って退いた女が惨めじゃない?
エリザベス:お姉様?


【答えはまだ出ない】

慎哉:……少し、考えさせてくれ。
イゴール:どうぞご自由に。ただし、そろそろ時間である事を忘れずに。
優也:外の時間は?
イゴール:実時間70分ほどかと。
優也:集合時間すぎているじゃないか!
慎哉:くそっ! しょうがないな!
優也:漫画版ガン○ム?
慎哉:違うぞ。とにかく帰るぞ。

イゴール:私の台詞が殆どありませんでしたな。
エリザベス:主に言葉を発する権利はございますか?
マーガレット:無いわね。
イゴール:息子よ、カムバック!


【いい女の条件】

優也:(それにしても……先ほどのマーガレットさんの発言には違和感が残る)
慎哉:……?
優也:(いつも貴方達の視点で物事を“視”させてもらっている。そう言う割には秋月の視点からでは絶対に知り得ない情報を発言している)
慎哉:どうした?
優也:(この男の性格からして他人からの好意は無頓着。その証拠に久慈川さんの多少過剰なアプローチに似たコミュニケーションを受け流している)
慎哉:まぁいいか。
優也:(だが彼女は「でなければ貴方達の関係を知って退いた女が惨めじゃない?」と言っている)
慎哉:……?
優也:(納得が行くとしたらアレか、“視”た事ではなくそれはマーガレットさん自身の……)
慎哉:突然慈母のような目で俺を見てどうした?
優也:いや、人間ってのは罪深い生き物だなと思っただけだ。
慎哉:何を今更。
優也:真の無知とは分からない事が分からない事である。お前も例外ではなかったか。