どういう顔をしたらいいのか分からない

怒ればいい?
泣けばいい?
辛いという顔をすればいい?
反省している顔をすればいい?
それでも頑張っている風に見せればいい?


結論。


放棄。
これ以上悩むのなら、俺らしからぬ事だが、考える事を止める。
それでは何かが好転する訳ではない。むしろ悪化する可能性が高い。
それが分かっていても、最早オレ自身が理解する事を放棄している。
その事を考え、ふと駅のトイレの鏡を見たら、能面がそこにあった。
一瞬だけ、何故そんなものがと自分は考える。
いや、見ていたのは私自身だ。
己が考える事を放棄し、結果としてそうなっているに過ぎない。
――ああ。
僕はそういうのだったのか。
我にとって表情とは不要なのだな。
ならば捨て去ろう。極めて人である事を冒涜せんばかりに、人足る証を置いていこう。
それがいい。
それがいいのだ。