第二次Z再世編第56話『BEYOND』

アルトの撃墜数が、ミシェルより低かった事が発覚。
これが原因か……!


射殺したはずのリボンズは、肉体を変えて生き返りました。
ヴェーダと繋がっている以上、そんな事は可能なのです。
ここにいたエルガンもそれは知っているようでした。
リジェネはサーシェスに始末された。
しかし、代わりにリボンズは黒の英知にたどり着けなかった。
代わりに黒の英知に関するエルガンにそれの開示を求めていた。


ここ、コロニー型外宇宙航行母艦ソレスタルビーイングには、エルガンの他にコロニーガンダムを作り上げた5人の博士達もいた。


その為にも、リボンズが率いるアロウズを退けなければならなかった。
皆が戦う理由を心に思い描いていた時。


クロウ(借金返済…)
刹那(ガンダム!)


ブレないね、君たち。
とにかく、戦場の隙を突いてプトレマイオス2はソレスタルビーイングの中に突入する。
その中にオートマトンが配備されていたが、それを統率していたのはイノベイターではなくビリー。
要するにビリーはスメラギさんに男として騙されたのが一番根に持っているようです。
そりゃ……1期が終わってから2期までの間自分の家に転がり込んできた飲んだくれの元同級生が実は敵対組織の幹部でしたって、ねぇ。


そして焼け野原ひろしはちゃんとロックオンで敵を付けさせておきました。


ルイスを撃墜するものの、今度はトランザム特攻を仕掛けてくる機体を大量に配備する。
ルイスの精神は壊れかけ、イオリアの思いは歪められていく。


そんな事……!


刹那「させるものかぁぁぁぁっ!!」


イノベイター覚醒!
アンドレイとピーリスの確執も、沙慈とルイスも、スメラギさんとビリーも、言葉にすればわかり合えた。
ただ、人はわかり合おうとしなかっただけだ。
バジュラとだってわかり合えた。
だから、人間同士だってわかり合えるはずだった。
純粋種イノベイターに覚醒した刹那の脳量子波は、イノベイト達の脳量子波をかき乱す。
その間にティエリアヴェーダのある場所へと向かっていた。
そこで待つリボンズ
自分たちはイノベイターの発現を促すイノベイトでありながら、リボンズは自分なりの計画を行った。
ティエリアを撃とうとするリボンズ。代わりにリボンズを撃ったのは、残っていたエルガン。
イオリアの計画にリボンズのような存在は認められない。だから、コロニーの博士達はゼロシステムを計画から奪った。


エルガン「ティエリア・アーデ! 今こそイオリア・シュヘンベルグの最後の遺産を君に託す!」


エルガン「コード『CHRONO H』!」


ダジャレかよ!!
リボンズはこのコードにより、ヴェーダとのリンクを拒絶される。
代わりに撃たれるエルガン。だが、それでもティエリアの脱出する時間と権限を渡した。
これにより、ティエリアの口からイオリアの計画の全てが話される。


ソレスタルビーイングの武力介入行動は矛盾をはらみつつ、世界の統合を促し、例え自分たちが滅びようとも、人類の意思を統一させる事に、その目的はあった。
それは人類が争いの火種を抱えたまま新たな時代を迎える事は危険であったため。
人類は変わらなければ未来を紡ぐ事は出来ない。いずれ巡り会う異種との対話を始めとする、様々な試練を乗り越えるため。
その為にも、人類はわかり合う必要があった。
その先駆者であり、中心となるべきだったのが、本来の意味でのイノベイター。即ち現在では刹那が該当した。
ダブルオーの本当の意味は、イノベイターへの覚醒を促すもの。
けれども、不完全なイノベイターの出現は人類を未来へ進ませるどころか、絶望で支配する可能性もあった。
イオリアの夢見たイノベイターは、本来ならば、ツインドライブとゼロシステムによって生まれるものだった。
未来を見せる力は量子演算システム、ヴェーダとリンクする事で無限の可能性を生み出す。
本来なら、ゼロシステムはイノベイターへと変わっていく者にとって試練となるべきもの。
真のイノベイターはゼロシステムを使いこなす迷いの無さが必要とされる。
もし、ゼロシステムに飲み込まれるような弱い心の持ち主がイノベイターに覚醒すれば、恐ろしい事態を引き起こす。
マイナスの感情は周囲の人間に伝播し、下手をすれば全ての人間がゼロシステムの悪夢に囚われる事になるからだ。
それが例えば、ビリーが見た未来。
コロニーのガンダムの存在は、イオリアの計画はコロニーにも危険を及ぼす可能性があったため、カウンターとして作られていた。
まさか共闘する事になろうとは、5人の博士も思いもしなかったようだが。
けれども、現にヒイロはゼロシステムを使いこなし、刹那は真のイノベイターに覚醒した。
結果として、お互いを高め合う事になった。


彼ら博士がやるべき事は、イオリアが作った兵器を破壊する事。
彼らは、自らの行動に責任を取っていた。


そして、ビーム砲を破壊された以上、リボンズが立つしかなかった。


あ、リボンズのOガンダム対刹那のリペアⅡの戦いはないんだ……。


戦いが終わり、アイランド1にいたマリナは刹那の事を考えていた。
クルジスの少年兵として戦い続け、今もソレスタルビーイングの一員として戦う。
平和を求めている事は同じなのに、二人の道は交わる事は決してなかった。
何故、何だろう。
いつか、彼にも幸せが訪れる事を、只彼女は願っていた。
今の彼女に出来る事は、地球に戻って出来る事をするだけだった。


原作で撃たれたティエリアの代わりに、エルガン・ローディックが撃たれた。
それにより、彼の残りの時間は少なかった。
彼は、イオリアの計画を見届ける事が自分の使命だった。
エルガンの年齢は既に300歳を超えていた。
彼の名前――エルガン・ローディックは、イオリアが生きていた時代とこの数十年の間に使っていた名前だった。
ではこの人の本当の名前は……。
イノベイトなのか? いや違う。
彼の本当の名前に、その原因が隠されていた。


まさか……。


歴史の観測者に徹してきた彼は、本来は史実に残っていない。
だが、彼の本名。それは……。


ジ・エーデル・ベルナル。


ZEUTHのメンバーなら全員知っている男の名前。
第一次Zの最後のボスにして、最悪のラスボスとされた超の付く愉快犯。
多元世界を自らの遊び場に使用として世界を混沌に包もうとした男。
それが、並行世界ではこうして平和のために生きていた。
ZEUTHが戦ったジ・エーデル・ベルナルは数多の世界の中で説くに強い力を持つ者。
今目の前で死にそうになっている彼は、人より長い寿命と並行世界の自分との交信が出来るくらいだった。


そこかのジ・エーデル・ベルナルが黒の英知に触れてしまった事で、数多の世界の同一人物に何らかの能力が付いてしまった。
それを手にした者は、限りない英知を得る代償に絶望の未来を知る事になる。
この宇宙に住む生命体が進む未来には根源的な災厄が待っている。
その災厄との遭遇は次元を越えて、あらゆる世界を巻き込み、全てを滅ぼす。
ZEUTHのメンバーは月のD.O.M.E.で見た黒歴史の戦いでその片鱗を見た。
アレの剣造にはジ・エーデルの誰かが関わっていたと思われ、黒歴史を描いたパラダイムシティのゴードン・ローズウォーターも何らかの関係があったかも知れなかった。


勿論この世界にも、黒歴史という言葉はある。
エスターの過去の暴露の時にも話題になったとおり、思い出したくない事や封印された囲って意味だ。
ZEUTHの戦いでは12000年周期で環状になった時間軸における未来の事だが、この多元世界を構成するどこかの世界では、神話として伝えられる過去の話だった。
黒歴史とは、根源的な災厄との遭遇。
黒の英知を手に入れた者はそれを知る事になる。
黒の英知は様々な形を変えて存在している。
その中でもジ・エーデル・ベルナルが触れた黒の英知は特種なもので、並行世界全ての同一人物に影響を与えるほどのものだった。
ZEUTHが出会ったジ・エーデルの享楽主義は、絶望を知ってしまったが故の逃避。


絶望の未来を知ったエルガンはそんな折、人類の新しい時代を考えていたイオリアと出会った。
そして、彼に協力をした。
ZEXISを作り上げたのも、いつか起こる災厄と戦うため。
スフィアをカルロスに預けたのも、その為だった。


ワイズマンやエルガンのように抵抗しようと試みた人間はいた。
破界の王も、それに立ち向かうために生み出された存在。
次元獣の軍団はそれに対抗するため。
バアルとは、自分たちは何をするべきなのか。
どうすれば災厄に立ち向かえるのか。
それら全てを答える前に……。



ただ、並行世界の同じ人間が禁忌に触れてしまっただけの少しだけその恩恵にあやかる事になってしまった人間だった。
彼は長い間、独りで戦い続けていた。
だから、もう休ませてあげた。


残りの戦いは、ルルーシュが率いる連邦軍と、インベーダー。
そして、インサラウムのメンバーだけだった。