女主人公第32話『悲しみという力』

ジャガイモ博士の徹夜の改造+調査の結果、バルゴラには現状では有りえないものが幾つか搭載されている事が判明した。
一つ、機体のフレームや関節部などが通常の200%以上の頑丈さを持っている。
二つ、バルゴラのメイン武装であるガナリー・カーバーにはブラックボックス多く、状況によっては出力が半端じゃない攻撃が可能。
以上の事から、どうやらバルゴラ自体ガナリー・カーバーのために設計されたものである事が判明した。
だが、そこで一つ疑問が出てくる。


バルゴラはどうやって作られたのか?


一応基となった世界で行けば宇宙世紀とゲッターマジンガーチームの世界。
しかしながら、アムロ大尉ですらこの機体についての情報を何も知らない状況だった。
では一体バルゴラは何なのか……それを知ろうとした矢先に改造されたバルゴラ改に乗ってセツコさんは前の話でトビーからの連絡があったとおり、指定の場所へと先走っていた。
だが、そこにいたのはトビーではなくランド。
どうやら彼はアサキムに借りがあるから恩返しをするためにアサキムの元にいるようだ。
何とかランドを撃破したセツコさんは全力を出したランドの特機特有のパワーに圧され気味となった。
そこへ駆けつけたトビーがランドを押し出し、事なきを得た。


と思っていたら……。


トビーは突然前に出たセツコさんを狙撃。


セツコさん「トビー…何を…!?」
トビー「トビー? そんな男がどこにいる?」
トビー→アサキム「………」


ギャアァァァァ━━━━━━(|||゚Д゚)━━━━━━!!!!!!


ランド「どういうことだ兄弟!?」
アサキム「ほんの少し位相をずらせば、目に見える形を変える事が出来る。だけど、死者を蘇らせる事はいくら僕でも不可能さ」
セツコさん「トビーは…!? トビーはどこへいったの!?」
アサキム「決まっているだろう…。亡者の国だよ」君が見ていたのは幻影…。君が愛しげに言葉を交わしていたのはこの僕だよ」


ランドを不要と宣言したアサキムは人質(?)となっていたメール(男主人公のパートナー)を始末すると言い放つ。
その時、セツコさんの瞳から一滴の涙が流れ落ち、それはガナリー・カーバーへと伝った……。
文字通り変貌を遂げるガナリー・カーバー。
悲しみの乙女の力を借りて異形の力は更に化け物へと姿を変え、怒りの矛先となる存在へと解き放った。
ただひたすらに悲しみを力に変え、更なる高みへと目指す事を余儀なくされた。


例え本人が望まなかったとしても……。


自分達の隊長はこの世界が崩壊する直前に目の前で殺害され、しかもその手段がアサキムの攻撃手段として、真っ二つに切った後に断面を手で押すという極悪な手段。
そして、多元世界となったこの世界で、ようやく会えた先輩に惹かれて例え断られてもそれでもいいと思った矢先に自分の目の前で殺される。
しかも、よくある実は生きていてヒロインがピンチな時に駆けつけてくれた!
という展開をやっておきながら、実はそれは殺した男が見せた幻影に過ぎなかった。


これは、キツイ……。
なんとか涙も漫ろに増援としてやってきたツィーネを撃破し、この力のために二人が生贄になった事を思い知らされた。
その直後、時空転移現象が発動しそうになった所で、全員退避しようと思ったがセツコさんは動く事が出来なかった。
唯一、全てを見ていたランドが遠くへ退避させてくれたが。


そこで男主人公であるランドの身の上をやっと知る事が出来た。
どうやら相方のメールがブレイク・ザ・ワールドの際に行方不明となってしまったようだ。
そして、彼女を探す際に知り合ったアサキムが、メールを探す協力をしてくれた事で兄弟として手伝っていたようだった。
勿論もうそんな事が出来るような事は無く、アサキムは恐らくセツコさんと同様の能力を持つメールの能力を手に入れるためにランドに協力していたようだった。
ランドは地球上を探し回り、メールとアサキム両方の情報を探す事になった為ここで一旦となった。
そして、彼女は悲しみの力を手に、バルゴラ改、改めバルゴラ・グローリーに乗り、自分のような悲しみの被害者を作らないよう戦う事を選んだのだった。