女主人公第42話『終章開幕』

全てが変わり果てたこの世界で、崩壊し続けるここに何があるのか。
それを知る為に戦うしかなかった。
エルダーのテラルは自分が司令官の座を降ろされた事で、捕虜が全て人間爆弾に変わる恐れを察知し、体は男だろうと心は女である以上、それを見過ごす事はリラには出来なかった。
リラは唯一の適任者と言えるアルデバロンのアフロディアに捕虜を地球へと送り届けるように頼み込んだ。
例え初めは断られようとも、懇願の果てに彼女たちの考えは合致した。
しかし、その捕虜の中に勝平の友達であるアキの姿はどこにもなかった。
彼女に人間爆弾の証である星形の痣がない事を祈りながら、捕虜の女子供はアフロディアの手により地球へと送り出されていた。
残った人間の中には闘志也の父親がいた。


そして宇宙ではアクシズが地球近辺にやってきた。
ハマーン様がようやくお目見えになった時、ランスロー達がその場にいた。
そこから遠くない宙域、そこにアークエンジェルから宇宙へと旅だったラクス達とハリー中尉、そしてキエル嬢が平和への未知を模索していた。
他にもこの太陽系から金星と水星が消滅をした。厳密には別次元に存在しているから、復活する可能性もあるという程度であるが。
一方、UNでは黒のカリスマを名乗った何者かが人々の不安を煽る書き込みが多発しているとの情報が出てきた。
調べてみると突拍子もない事だが、二度目の時空破壊による人々の不安は更に加速し続けていた。
そして、その頃桂とオルソン、そしてアテナは何とも言えない関係になりながらも茶化しに来た勝平が来る事でなんとか事なきを得た。
まぁ、考えてみれば親友の娘に手を出すんだからオルソンも人の事を言えないよね。というのは冗談だが。
そして、アテナが保護した人間の中に、勝平の友達を名乗る少女――アキがいた。
再会を喜ぶ勝平とアキだったが、その時敵襲の警報が。
とりあえず着の身着のままだったから適当に部屋にあるもので良いなら着替えておけと勝平は言い残し出撃に向かった。


その時、アキの首筋には確かに星形の痣があった……。


人間爆弾、その話がまた再開された。


イングレッサに出来た新連邦を襲撃しているのは進退窮まったテラル(リラ)。
徐々に敵を撃退し、勝平も意気込んでいて、アキも応援している中、それは起きた。


勝平の部屋が爆発した。


それが何を意味するのかは他の誰でもなく、勝平が理解していたから。
この出来事により、勝平のパイロット表情変化と気力200固定という破格の事態が発動。
話には聞いていたけどこれはマジショックだわ……。


そしてテラルをある程度攻撃したら、ガガーンからの援軍としてゼラバイアがやってくる。
友人からの贈り物、と言うが……。
だがゼラバイアを攻撃する前にテラルを倒したのは、怒りに身を任せた勝平と、彼を制しきれなかった万丈。


……顔グラよく見ると、勝平泣きながら攻撃しているよ。
空しくなった。彼女は最期にそう言って果てた。
元とは言え、エルダーの総司令を倒した筈なのに、メンバーに残ったのはやりきれない何かと勝平の泣き叫ぶ声だけだった。
だがその悲しみも癒えぬまま、最後に現れたゼラバイアによってグラヴィオンは瀕死の重傷を負ってしまう。
倒せる手段はグラヴィオンを自爆させる事での重力子臨海突破。
それを回避するにはエィナが乗るGドリラーが干渉するしかなかった。
その瞬間、Gドリラーの片割れであるエィナはプロトグランディーヴァとして最期の役目を果たした。
残ったのはエイジと、空っぽになった斗牙だけ。瑠菜は行方不明となってしまった。


いや、戦闘後に瀕死の重傷を負ったテラルも発見された。
どれだけ泣いてもアキが戻ってくる事はない。だからこそ、万丈は明日に向かって歩くしかないと諭すが、まだ中学一年生の勝平にそれを求めるのは酷であった。


勝平「月は…やっぱり、太陽の光を受けて光るしか出来ねえんだよ…」
万丈「だが、月は闇夜を照らす」


だからこそ、太陽の化身とも言えるダイターン3が人を照らす太陽であるのなら、月の化身とも言えるザンボット3は人を救う月光となることを求められていた。
当然だが今回連邦の議会を防衛した事により、ミネルバは査問をかけられる事となった。
それが形式的なことであることを願いながら。
そして斗牙は先ほどの戦いのショックから逃亡してしまった。友人のエイジは現在も尚治療中であるというのに。


その頃穴姫様の父親であるメダイユ公の元にミリシャのメンバーが集まっていた。
どうやら公の元に一度シュバルツ・バルトが真実を求めて訪れていたようだが……。