女主人公第50話『私はD.O.M.E.……』

この話でこの世界の根幹をネタバレしているので注意してください。
月にいるシロッコの元へディアナ様がやってきた。
彼女は黒歴史の真実を世界中の人間に公表する事で人類に警鐘する事が目的だった。
一部の面でシロッコと共通しているが、彼を見て協力は出来ないと断言する。
その最中ZEUTHがやって来た事で、シロッコは旧ロゴスのメンバーを迎撃に出していた。
一方ZEUTHのメンバーは全員気力マックス。とにかく時間制限があるので、容赦せず戦うに赴いていた。
しかし、そこを邪魔しに来たのは立ち塞がるものは容赦しないギンガナム御大将。


ギンガナム「その気になったか、∀! お前の力を目覚めさせるがいい!」


いや、分かっちゃいるんだが、AAみたいに見えて笑える。
まぁ、とにかく速攻で御大将以外全滅させ(大将は距離と敵数の問題から倒すのは難しい)、ジブリールバスクを倒し、レクイエム発射するかと思いきや。


ガロード「ティファアアアアアアッ!」


ガロードかっけぇ。叫んでレクイエムを止めやがった。
その直後、そこに現れたのはネオジオンと宇宙革命軍。
彼らとギンガナム、そしてZEUTHという全ての人間勢力が集まった所で、D.O.M.E.の中で黒歴史の真実が明らかとなった。


そこに写っていたのはこの世界の真実。


写っていた中にはオーバーデビルと共に堕天翅に戦いを挑むアクエリオン。太陽の翼がいた時代であり、そこにはキングゲイナーも写っていた。
そしてマジンカイザー真ゲッターの姿も。ただし、見た事のないゲッターとマジンガーという言い方であり、彼らの知らない機体であった。


以下、D.O.M.E.の言葉。


今から1万2000年以上前…時空は破壊され、新たな世界が生まれた。
人はそれをブレイク・ザ・ワールドと呼んだ。
君たちが見ている映像…それはブレイク・ザ・ワールドの後に起きた長い戦いの記録だ。
私も君達に会って理解できたよ。…私の中にある黒歴史の記録…それは君達の戦いの結果だよ。
黒歴史の戦い…その発端にはZEUTHなる者達がいた。


だがここで一つの疑問が。
彼らZEUTHが戦い続けた事で黒歴史が起き、その最後に時空破壊が起きて世界が分岐したとすれば、今自分達がいるのにどうして彼らが過去に黒歴史を起こした事になるのか。
答えはタイムパラドックスブレイク・ザ・ワールドで時間を超えたのはS−1星人だけではなかった。
その分岐した世界の中には、堕天翅のいた世界、D.O.M.E.の存在する世界、地球が宇宙を戦いに巻き込む世界。
だが、それらの世界は時空震動によってエマーンや宇宙世紀、コズミックイラと呼ばれる世界と一つになった。
同時に1万2000年の時を超え、時間の環の一部に収まってしまった。
このまま戦いが続く事で黒歴史が発生し、その終焉に時空破壊が起きて世界はそれぞれの歴史を歩む。
しかし、またどこかで時空破壊が起きて時間と空間を超えて、この多元世界が誕生し、また歴史は繰り返す。
それは何千年、何万年のスパンで回る閉じた環のように。


……やっぱり。結構前の話の時にこの世界の根幹は円環と書いたが、正にそれだったわ。
今現在のD.O.M.E.が見せた記録が果たして自分達本人なのか、それとも位相のずれた平行世界の自分達なのかは不明だが、ZEUTHの存在が黒歴史となった事はこの記録から間違いのない事だった。
その直後、混乱も止まぬ状況の中、フロスト兄弟は戦いを仕掛けてきた。
彼らが存在を否定されていた人間、それは世界が違ったはずのギルバート・デュランダル
この答えも、黒歴史を見たのであれば納得が行く。


いくつ前の世界かは不明だが、ギルバート・デュランダルのデスティニープランが黒歴史の一つとしてXの世界に存在していた。
その概要を入手した中央政府はそれを試験的に実行した。目的はニュータイプとして覚醒する人間の因子を解明する為のもの。
結果はフラッシュシステムに対応してなかった事からカテゴリーFの烙印。
まだこの世界、この時間では提唱されてないデスティニープランによって未来に時を置くX世界のフロスト兄弟は運命を決めつけられていた。
この世界のデュランダルは新連邦を倒した後はこのプランを実行に移そうとしていた。皮肉にも実行前からその結果を見る事が出来るとは。
フロスト兄弟はD.O.M.E.を破壊しようとした矢先、∀ガンダム月光蝶を発動させた。
ティファの予知であった未来に羽ばたく蝶は出現した。


その後の歴史として、∀ガンダム月光蝶によって散布されたナノマシンは地球文明を砂に変え、その直後に時空破壊が起きた。
そして∀は役目を終えてイングレッサが出来る場所で眠りについていた。
だが、その直後の戦いも、カイメラが乱入した事で危険な方向へと向かっていった。
レーベンが持ってきたもの、それはエレメント達のかつての仲間であるグレン。
彼は裏切った風見博士がカイメラに提供したデータにより、堕天翅に改造された。


グレンを撃破したアクエリオンの前に現れたのは頭翅。彼らシリウスに語りかけ、風見博士同様にシリウスもまた、ZEUTHを裏切った。
シリウスがいなくなった事で、ベクターマシンが一機足りなくなったが、グレンが倒された時に分離したベクターオメガに転移したシルヴィアが強引に合体してのけた。
そしてフロスト兄弟も撃破。だが、彼らは撤退していった。原作ならばここでXの話が終了したはずなのに。
とにかく彼らのやるべき事は決まった。


自分達が引き起こした黒歴史を引き起こさない未来を作り上げる事。
その為に、黒歴史を伝えたD.O.M.E.は眠りについた。
ジャミルにはニュータイプが何であるかの主観を伝え、クワトロには呪縛に囚われるな、自分の信じた道を進めと忠告をして。
そしてコロニーレーザーもレクイエムも潰された、彼らに出来る事は地上の争乱を止める事。
鬼、オーバーデビル、暴走し続けるコーラリアン……。
まだまだ戦争が終わる兆しは見えて無かろうと、彼らは歩む事を止めなかった。