第二次Z第33話『天を突く命』

アニキは死んだ! もういない!
奪ったダイガンザンでは、やはりカミナが死んだことにショックを受けているメンバーが沢山いた。
何だかんだでカミナはリーダーシップに溢れていて、ZEXISの中心人物の一人でもあったから。
そんな兄貴を失ったシモンに対し、仲間が出来る事は、一つしか無い。
放っておく。
冷たいと嘆く者もいるが、勝平などがそれしか無いことを身を以て知っていた。
それで終わっては駄目なことも、前を向いて進まなければならないことも。
ソレスタルビーイングの四人にも、同様にショックを受けていた。
何故彼が死ななければならないのか、死ぬべき人間ならもっと相応しい奴がいるというのに。
そう呟くロックオンの言葉に、キラはその“奴”が彼自身である事を見抜く。
全てが終われば裁きを受ける。それはソレビだけでは無く、ゼロも同じように考えていた。
ちなみにここでロックオン兄さんはフェルトに本名を教えるという死亡フラグを立ててます。
立てちゃ駄目だけど、立てないと2ndシーズンに続かないのよね……。
カミナの死はドライな関係だったチームDにも影響していた。
偶然一緒に戦うだけだった彼らだが、プライベートの話をすることにした。それは、いつ何時死ぬか判らないから、その時に何も残ってないのは寂しい、と言うジョニーの提案からだった。
勿論ダンクーガに乗っている以上、全員死ぬ時は一緒だが、それ故に一番近い存在でもあった。
ジョニーは一緒に戦う女性二人がタイプだったから。
朔哉は生きている実感が欲しくて、ダンクーガに乗っている時、自分が満たされたと判ったから。
葵も朔哉同様に、生きている実感が欲しかったから。これなら自分の魂を燃やしてくれると、命を賭けても惜しくないと思ったから。
しかし、くららは一旦保留となった。聞きたかったら今度という事に。
そうしていると、チームDだけに留まらず、ZEXISのメンバーにパーティーの招待がやって来た。
差出人はF.S.。ドラゴンズハイブの司令官。
その頃月光号では、妙な空気が漂っていた。
レントンエウレカを除くクルーが、何かの計画をさせようとしていた。彼らの中にあった鋭い人間が感じた違和感の正体が、そろそろ明らかになろうとしていた。


そして場所は東京。
パーティー会場では、流石にシモンは来なかった。
他のメンバーも含め、気晴らしになると誘ったのだが、その事で他のメンバーも落ち込みそうになる。
しかし、ハリー大尉が気持ちを切り替えろと知ったし、一応のテンションは元に戻せた。
今回のパーティーの目的はイゴールコンツェルンの新作発表会を名目としていた。
関係者が司令官だと判明した所で、気分が乗らないアルトは退席しようとするが、そこにシェリルとランカが現れる。
事情を聞いて動揺するランカと、さすがに突っかかることが出来ないシェリル。S.M.Sも同じように退席した所、丁度別の人がやって来た。
エイーダ・ロッサ。Lの時同様、やはり彼女と共演する機会はあった。
そうしていると、パーティー会場にやはりいたサンドマンや不動GEN。果てはディアナ様にラクスまで。凄まじい面子がいるが、ラクス達にも合流しない事情があった。
ラクスは戦いの歌を歌ったことで、自分の歌いたい歌を見つめ直したいため。
ディアナ様は立場を離れ、一人の人間として、世界の有り様と考えたいため。
その為に、彼女達は二人と共に行動し、暫くはF.S.の元にいることとなった。
一方でF.S.と対面したチームD。その中で、何らかの理由があってダンクーガを運用していること、そして獣戦機隊を使っていること、更にはダンクーガの由来について語ってくれた。
……F.S.の話を聞く限りだと、やはり獣戦機隊は、直系の過去の人間か?
その頃、エリア11からやって来た沙慈とルイスと会った刹那。
……パーティー会場。ああ、親戚の結婚式じゃなくなったのか。
そして話を終えたジョニーは、一人で考えていたら、エイーダから猛烈なアタックをされてますもげろ。
しかし現れたトリニティの襲撃で、パーティーも中断せざるを得なくなったのだった。


人革連に残してきた大グレン団は、ダイガンザンの改造を終え、ダイグレンに名前を変えていた。
それぞれがカミナがいなくなったことで心に穴を開け、自分のことで精一杯となってしまったグレン団は、シモンがいなくなったことにようやく気づいた。
一人でラガンに乗って獣人達と戦うシモン。なかば自棄になった彼は、獣人達が残した箱を開けると、そこにいたのは女の子――ニアだった。
彼女を連れ戻そうとする獣人達の前に、立ちはだかろうとするシモンだが、肝心のラガンが動かない。
そこに駆けつけたキタン達だが、数の多さに圧倒されると、ニアが自分の身分――螺旋王ロージェノムの娘である事を示し、獣人を撤退させる。


一方会場を襲撃したトリニティだが、ミッションである事と、ネーナがムカついたという理由ででいきなり攻撃を仕掛けていた。
その中にR−ダイガンのパイロットもいた事で、彼らは注意されたが、元々気にくわなかったので聞き流していた。
次の彼らのミッションはオーバーフラッグスを叩くこと。果たして上手く行くのやら。


さて、ダイグレンに戻ってきた大グレン団は、やはりニアの処遇について迷っていた。
自分の状況を殆ど判ってないニアについあたってしまうヨーコ。そんな彼女は、死んだカミナについてシモンから聞いておきたかった。
カミナとシモンの過去を聞き、ニアは真っ当なことを言うが、それがシモンを更に追い詰めてしまった。
そこに襲撃してくる獣人達。カミナの代わりをしなくてはと自分に言い聞かせるシモンだが、その様子は最早戦える状況でも無かった。
現れた獣人、そしてイマージュ。
その戦闘中、突然ホランドレントンを月光号に帰還させると、心当たりのあったエウレカは自分の出自を語る。
イマージュによって人間を知るために送り込まれたスパイロボット。それがエウレカの正体だった。
ホランド達月光号の人間はそれを知りながら軍から奪うと、ホランドは突然レントンに奇妙な質問をする。


ホランド「お前には俺が何歳に見える?」


意味が分からないレントンホランドの質問に答えないでいると、ホランドは自分が17歳だと告白した。
いや、月光号の人間全員がそうだった。
8年前に起きたドーハの悲劇はイマージュを利用して時空震動を発生させる実権だった。
ホランド達当時の孤児は過去に、戦艦に乗せられ、イマージュに向かっていった。その中に桃色の髪の女がいたと言うが、それはアネモネなんだろう。
そして、彼らは実験のモルモットにされた。
その際に並行世界――緑に輝く環が星を取り囲み、刻印のある月が浮かぶ青き星を見た。
……テレビ版、と言うか、ZEUTHのいた世界? 刻印が相合い傘なら凄い納得出来るが。
ホランド達はその世界を垣間見たことで、その世界が自分達がいるべき世界だと知った。レントンの両親がいた研究所こそが、その実験の場所でもあった。
そして、彼らは目が覚めると元の世界に戻っており、自分達の体が常人の三倍の速さで成長していた。
そもそもこの実験を行った理由は、一つの神話だった。
アゲハ神話。そう呼ばれた物語は、イマージュによって用意された説があり、イマージュは世界の事象を操る力を持っていても、その術を持たないため、誰かに起動スイッチを押させるために神話を用意した。
ホランド達月光号の目的は、エウレカを使うことによってもう一度時空震動を引き起こすこと。そして、自分達が生きられる世界を創り直すことだった。
レントンの確保に失敗したホランドエウレカだけ連れ去ると、戦闘中にもかかわらず離脱していった。それを追うようにレントンも離脱すると、他のメンバーは訳も分からないまま、代わりに現れたR−ダイガンとも戦わざるを得なかった。
流石に一機だけなので制限時間は短いが軽く捻ると、獣戦機隊の声もあって野生化に目覚める。ゴッドビーストモードで一気に攻撃力アップだ!
と、これでようやく合神状態で出撃が可能になりました。


次はシモンの番。カミナが死んだことを引きずっていたシモンだが、カミナはカミナ、シモンはシモンだった。
確かに死んだのは辛く悲しいことだが、皆がカミナの穴を埋め、彼が突き抜けた道をみんなで走る。
カミナの代わりにロシウが乗ることで、自分を信じたシモンをラガンが認めてくれた。


シモン「アニキは死んだ! もういない! だけど、俺の背中に! この胸に! 一つになって生き続ける!」
シモン「穴を掘るなら天を突く! 墓穴掘っても掘り続けて! 突き抜けたなら、俺の勝ち!」
シモン「俺を誰だと思っている!? 俺はシモンだ!」
シモン「カミナのアニキじゃない! 俺は俺だ! 穴掘りシモンだ!」


それでいいんだよ……それでいいんだよシモン……。
いなくなった月光号の代わりに母艦となったダイグレン。そしてヨーコMタンク。
……Mはおそらくミルクでしょう。乳牛的な意味で。
どうにか撃破し、シモンも立ち直った所で、行方知れずになった月光号のメンバーは、アイムとコンタクトを取っていた。
いや、アイムの方から彼らの事を知ったのでコンタクトを取っていたのだった。