第二次Z再世編第50話『皇帝失格』

原作ルートです。
一応ここまでの行動によってはコードギアスの展開が大きく変わるIFルートがあるみたいです。
いわゆる第一次の種死の扱いですね。
でも俺は原作ルート。
仕方ない。
C.C.は、フレイヤの爆心地にいた。
不死身とされる彼女でも、肉体が消滅したら復活に時間を要するから。
助けてくれたのはラウンズのアーニャ。
いや、彼女の精神に入り込んでいたマリアンヌ――ルルーシュ達の母だった。


一方、ゼロは戦死したと言う事になった。
そうすればルルーシュが出たとしても偽者と言う事になるのだから。
その中で、ヴィレッタさんが未だにブリタニアに戻らない事を突っつかれてしまう。
まぁ、女性なのだから仕方ないでしょう。
マルさんも同じでしょうね。


マルさん「そ、そのマルさんというのはやめろ…!」


じゃあ姫騎士さん。
で、当然ヒイロが気づいていた事も判明していた。
けれどもヒイロにとってはギアスの能力や皇子である事は意味を成さない。
あくまでもゼロという男なだけだ。
まぁ、むしろその事実が発覚しただけでシュナイゼルの誘導に乗った事の方が重要なんだが。


現在はシャルルが軍を動かして様々な場所を制圧している。
けれども、ブリタニア・ユニオンだった時からシャルルの戦術には不可解なところがあった。
エリア11を制圧したのに日本を制圧しない所や、そもそもセオリーから外れている所が多い等々。
それでも、今の皇帝はZEXISが動くに値する。
故に、皇帝の居場所を探していたが、謎の人物から神根島にいると情報が送られた。
他でもなく、ルルーシュなのだとカレンは理解していた。


一方、シュナイゼルは自らが皇帝になろうとしていた。
シャルルでは皇帝として不適格。そう考えていたのも事実だった。


一方神根島にたどり着いたZEXISだが、皇帝は有無を言わさず攻撃をしてくる。
ルルーシュもまた、同様に戦場に現れる。
シャルルは神根島の、それも以前にシュナイゼル達が調査を死、ルルーシュがブラック・リベリオンで敗北した洞窟に行こうとしていた。
そこにたどり着かれる前に撃破すると、生身でシャルルは洞窟に行く。


洞窟の中にあった遺跡には、スザクがいた。
彼は自らの意思で皇帝を討つ為にここにいた。
王たる責務を放棄した事、ギアスに手を染めた事。それが何よりも許せなかった。
けれども、スザクには遺跡の扉を開けられない。
ギアスを持たぬ者にはこの中には入れないから。
代わりに、扉の中に入ったのは、ルルーシュ
もう二度と戻らない覚悟を持ちながら、彼はスザクを置いていく。


この思考エレベーターの中にシャルルが入った時点でルルーシュは勝利の目算が立っていた。
入り口を、中から見れば出口を破壊する事で、ルルーシュは自分もろとも脱出出来ないようにしたのだ。
けれどもそれは違った。


この思考エレベーターの中には特異点となった者やそれに近しい者達も入れたから。
即ち、ZEXIS。
そして、アイム・ライアード。
シャルルが受け継いだコード、そして黒の英知は似ていた。
黒の英知。あらゆる自称が記録されたもの。過去や未来すら記録されており、スフィアと同じルーツを持つもの。
全宇宙にあまねく散らばり、それを手にした者は大いなる力の一部を手に入れる。
けれども、それは絶望と苦悩の始まりに過ぎない。
アイムは次元獣を置いて行くと、どこかへ去って行った。


ZEXISと次元獣達との戦いを見守るシャルルとルルーシュは、奇異な親子の語らいをする。
今まで嘘をついて生きてきたルルーシュは、本質的にはアイムと何ら変わりない。
けれども、それは生きていく上で仕方ない事もある。
誰もが嘘をついて、仮面を被って生きているように。
しかしシャルルはそれを否定する。
理解し合えば嘘は無くなる。嘘が無くなれば理解し合える。
勿論それは机上の空論だが。
けれども、そんな世界を夢見て、イオリアのように行動に移した者もいる。
故にシャルルはラグナレクの接続を行う。


かつて、シャルルと彼の兄であるV.V.は地獄にいた。
それは大時空振動でこの一つの世界になる前、王位を争うライバルとして、暗殺と策謀が日常となった裏切りの日々にあった。
それを憎み、二人は、大時空振動後にマリアンヌやC.C.も加わって嘘の無い世界を作ろうとした。
けれども、V.V.は違ってしまった。
マリアンヌを殺したのは彼だった。
幼い日の誓いの為にコードを手に入れて不老不死となった自分だけが残される事が許せなかった。
けれども、マリアンヌはギアスを持っていた。
人の心を渡るギアス。肉体が死んで初めて発動する能力。
それを、偶然現場近くに来ていたアーニャに取り憑いた。
おかげでアーニャはマリアンヌが表層にいる間、自分の記憶が抜け出てしまう状況になってしまったのだが。
ルルーシュとナナリーを日本に送り込んだのも、V.V.の手から逃れる為。
マリアンヌの遺体を隠したのも、肉体が保存されていれば戻れる可能性があった為。
その為にアーニャとナナリーの記憶を書き換える必要があった。
そして、彼らの計画にはコードの能力者――現シャルルとC.C.も必要だった。


何の為にルルーシュは戦ってきたのか……。
ラグナレクの接続は、かつて黒の英知に触れた者がやがて来る審判の日を越える為に用意したもの。
ルルーシュは、シャルル達の計画にとっては本当の意味で邪魔者でしか無かった。
C.C.を誘い出す為に黒の騎士団とも戦っていたというのに。
C.C.やスザクもこの地に来た事で、計画は成就しようとしていた。


スザクは問う。何の為に世界を手に入れようとしたのか。
ルルーシュは答える。自分が守りたいと思う全ての為に戦ってきた。


スザク「結果を求めるなら、何かを成さなければならない…」
ルルーシュ「そのための手段は何かを否定する事にもつながる」
スザク「だったら…!」


ルルーシュ「俺はお前を…! お前の考えを認めない!」


人は何故嘘をつくのか…。それは何かと争うためだけじゃない。何かを求める為。
ありのままで言い世界とは変化が無い。生きるとは言わない。思い出の世界に等しい完結した閉じた世界。
ルルーシュはそれを認める訳には行かなかった。
例え母がそれを望んでいたとしても、だ。
押しつけた善意は悪意と何ら変わりが無い。
例え善意のつもりでルルーシュとナナリーを日本に送ったとしても、ルルーシュからすれば自分たちは親に捨てられたという結果があった。
日本とブリタニアの戦争を止めなかった時点で、計画を優先させた時点で実の子の生死など関係が無かったという事に等しい。


ルルーシュ「だから、捨てた! 自己満足の言い訳だけ残して!」



自分に優しい世界を作ろうとする者達の言葉は、ルルーシュには届かない。
何故ならナナリーが作ろうとする世界は他人に優しくなれる世界だから。
ルルーシュの他にこの場にいるのはシャルル、マリアンヌ、C.C.、スザク。
全員今の時点でルルーシュのギアスは効かないと思われた。


いや、一人だけいた。


ルルーシュ「神よ! 集合無意識よ! 時の歩みを止めないでくれ!」


これは命令ではない。ルルーシュの願いだ。
明日が欲しいから。終わりの無い今日など嫌だから。
それに、マリアンヌはナナリーの笑顔の意味を知らない。
彼女は目が見えないが故に自分一人では何も出来ない事を知っている。
だからこそ、彼女は感謝の笑顔を他人に向けている。
それを知らない父と母は、自分達を捨てたのだ。


こうして、シャルルとマリアンヌは、どことも知れぬ世界に飲み込まれていった。
そして、ZEXISとも、ルルーシュとスザクは別れを告げた。
元の場所に戻ったZEXISは、二週間後の神根島に跳ばされていた。
シャルルが消えた今、新たな代表には。


ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア
彼は着任の挨拶の中で、目を瞑ったトレーズと、既にルルーシュのギアスにかかっているスザク以外全員に認めさせるギアスをかけた。
今ここに、ZEXISと袂を分かった新たな皇帝との戦いが始まろうとしていた。
当然、その場にいなかったラウンズ達や、シュナイゼルは、これを認めようとせず、ミリアルドと連絡を取っていった。



どうなるんだよこの世界。