第二次Z第23話『新世界の幕開け』

世界は破界される。
リモネシアは跡形もなく吹き飛び、代わりに現れたのは破壊神だった。
たった一人の男が、素手マクロス・クォーターを攻撃した。
ただの人間ではないと判断したメンバーは生身の人間に対して一斉攻撃を仕掛けた。
それでも無傷の男は、新たな次元獣に乗り、メンバーに攻撃を仕掛けてきたのだった。


……どう見てもランドにしか見えないのは俺の気のせいか?


ともかく、とんでもない破壊神との戦いで一気に消耗したメンバーだが、代わりに部下を呼び寄せると、アイム達とどこかへ行ってしまった。
カルロス自身もここまでとは思ってなかったが、やっちゃった者は仕方ないと割り切っていた。
一方、シオニーは半狂乱になっていた。どう見ても生き残っている国民など誰もいないのに。
なお、アイムの言っていたネオン・インダストリーも改造次元獣も、何もかも嘘だった。
心が折れそうになるルルーシュ本人だが、ゼロである事を演じきる事で、全員一時的に戦意を整えた。
新型の次元獣――グリーンライト(クロウの戦闘セリフで判明)以外の何人かを撃破すると、とうとうあの男が現れた。


アサキム・ドーウィン。


奴は次元獣を無限獄に囚われた存在だと判ると、突然攻撃を仕掛けた。
どうにかグリーンライトを撃破するが、一つの国は滅び、首謀者は逃げ、更に強大な敵が現れた現実に打ちのめされようとしていた。
アサキムはクロウを、「まだ殺す価値がない」と言ってどこかへ行った。
そして、犯人である彼らからの声明が発表された。


シオニー・レジスは新帝国インペリウムの筆頭政務官となり、移動要塞グレート・アクシオンに属する人間として国家の主権を宣言した。
戦力として次元獣を保有し、進路上にあったハルネス連邦は国家として消滅した。
この事に真っ先に危惧した11のコーネリア様は急ぎ戦力を元に戻し、それぞれの勢力もまた三国連合も一旦解散となった。
そして、エルガン代表は、ZEXISが、来訪者が世界を救うと信じていた。
グレート・アクシオンにいたシオニーは、アイムに騙された。その事が彼女に深い傷を付けたが、どうにもならない状況になってしまった。
自分が守りたかった国を自分の手で消滅させたのだから。
本来の――シオニーとカルロスが聞いたプロジェクト・ウズメは、並行世界から膨大なエネルギーを引き出す計画と言われていた。
そのエネルギーが破界の王であり、次元獣はそれの部下に近い存在だった。
カルロス達の敗因は、破界の王という切り札を見抜けなかった事。
もっとも、シオニーは度々狂乱するが、カルロスは前向きに考えた。
アイムは嘘を言ってない、世界を変える力は確かにある――それが自分の手に余るものである事。
しかし、せっかくスポンサーになったのだから、名前だけでも格好良いものにしたかった。


破界の王――ガイオウ
その機体――ゲールティラン


彼はそう名乗る事になり、彼の目的は戦い、そして猛者の血肉を、魂を食らう事だった。